ARAKANCOの雑記ブログ

頭と身体と心を錆びつかせない為に試行錯誤する日々の備忘録

『心優しきギャランドゥ』編★ 私のブティックに通ってきた個性的過ぎる人たち

昨日の記事を読み返していて、また思い出しちゃった~ 面白い人。忘れないうちに調子に乗って引き続きお送りしちゃおう。

前回の記事も強烈なので(笑)よかったら読んでみて~
https://naomi-y.hatenadiary.jp/entry/2018/07/14/161523

こんなお店だったのね。
で、一番の稼ぎ頭はタイのバンコク仕入れていたデニム👖。まあ、私年代はジーパン、ジーンズって言うけどね。当時、デニムの"ブランディング化が盛んになってた時期で、Levi'sとかLeeなどオーソドックスなデニムとは一線を画す高価格帯の”セレブデニム”が人気となっていた。例えば、トゥルーレリジョン、AG、セブンフォーオールマンカインド、ヤヌーク、シチズンズオブヒューマニティーなど。デニム好き女子なら知ってるかな。今でも根強い人気だね。価格は20000円以上で、この辺からどんどん高価格のデニムが出てきたね!

店で売っていたタイ製デニムは7000円~8000円。偶然見つけたこのバンコクの問屋さんは、大きな自社工場を持っていてあらゆるブランドのデニムを研究し尽くしオリジナルの製品を作っているメーカーだった。タイ国内、アジア、欧米他に輸出していたが日本の取引先は私が唯一だったらしい。パターンが洗練されているし履き心地が良かったので、試着した人の9割は買っていくという人気商品になっていた。仕入れ値は一本180~250バーツ、当時のレートで500円~700円☆彡

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その人はある夏の暑い日に現れた。。。名前は忘れてしまったのでここではマタヲさんとしよう。歳の頃は40代前半、少し長めの茶髪で、美容師さんっぽい感じ。お世辞にもイケメンとは言えないけれど、物腰が柔らかくて優しい口調に好感が持てた。
レディース衣類やアクセサリーがメインのラインナップだったので、やはり男性客は珍しくちょっと気が引き締まる。マタヲさんは、デニムのディスプレイ棚に直行し何本かを広げてチェックしている。

「これレディースですよね?」「はい、そうですけどプレゼントですか?」「いいえ、僕が履きたいんだけど無理かな?」「サイズが合えば大丈夫ですよ~」「多分サイズ的には履けると思うんですけど、ちょっと事情があって。。。お直しで、股上をもっと浅くするってできます?」・・・・・

(この頃のデニムのデザインのトレンドは股上がかなり浅めだった。これ以上浅く?出ちゃうよね~色んなもの。。。)

「お直しを頼んでいる人にできるかどうか聞いてみないとわからないですが。。。一応、試着して頂いて採寸してみましょうか」

試着室にて、「これくらいにしたいんですけど~」「かなりですね!大丈夫でしょうか?・・・でででちゃいませんか?」
「大丈夫です!これでお願いします!」「ご希望に沿えるかどうか連絡しますね~」

う~ん、なんだろう?ファッションのこだわり?それともあっち系の人?


お直し屋さんに確認したところ希望通りに直せるとのこと。

「ありがとうございます!無理なお願いして。。。完璧です!実はこれ衣装なんですよね。ダンサーやってるんです。本業は花屋なんですけど、それだけでは食べていけなくて。父親と二人でやってるんですがなかなか厳しいんですよ。それで半年前から夜、ショーパブでアルバイトしているんです」。。。。。結構、評判いいんですよ~僕のステージ。親父には内緒ですけどね。」

「そうだったんですね~」

なんかちょっとウルウル~~~

★★★
マタヲさんはそれから股上極浅デニムの追加注文をしてくれたり、何度か来店し買い物をしてくれた。その度に一輪のバラを持って。

彼の生花店に一度お邪魔したことがある。とても優しそうなお父様がいらして、昔ながらのお花屋さんという暖かなオーラに包まれた素敵なお店だった。それからほどなくして私は結婚(2度目)が決まり、店を閉めることになったと雑談のついでに彼に話した。


閉店も間近に迫ったある日、久しぶりに彼が現れる。

「もうすぐですね!お店なくなっちゃうの寂しいです。実は僕、この間告白しようと思って来たんですよ。お付き合いして欲しいって。。。。。幸せになってくださいね!これお祝いの気持ちです。」ピンクのバラの花束だった🌹

★★★★★
ちょっとほっこり もっこり するお話でしょ~脚色してないからね☆彡

マタヲさん、今でも元気にお花屋さんやってるかな~さすがにもう踊ってないだろうけど。

このシリーズ、また面白い人思い出したら書くよ。


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したっけね~
(北海道弁でじゃあ、またね)